薬剤師さんって、ドラッグストアでどんなもの買ってるんですか?逆に買わないものとかあるんですか?
正直に言います。成分を知っている立場だからこそ、「これは買わない」と決めているものが確実にあります。今日はその本音を全部話します。
※成分・エビデンス観点での個人的見解です。体質により合う場合もあります。
薬剤師が「買わない」と決めているもの
❌ 買わない①:コラーゲンサプリ(飲む系)
これは正直に言います。飲むコラーゲンは、体内でコラーゲンとして皮膚に届きません。
コラーゲンはタンパク質です。飲むと消化器官でアミノ酸に分解されます。コラーゲンのまま皮膚に届くことはなく、他のタンパク質源(鶏肉・豆腐)と体内では変わりません。
| 飲むコラーゲン | 実際の体内での流れ |
|---|---|
| コラーゲンペプチドを摂取 | 胃・小腸でアミノ酸に分解 |
| 吸収される | グリシン・プロリンなどのアミノ酸として全身へ |
| 皮膚へ | 他のアミノ酸と同様に利用される(コラーゲンとして届くわけではない) |
どうすれば皮膚のコラーゲンが増えるか? → ビタミンCを摂る。ビタミンCは体内でのコラーゲン合成に必須の補酵素です。コラーゲンを買うより、ビタミンCサプリの方が根拠があります。
❌ 買わない②:「温感」「冷感」系の湿布(市販の強力なもの)
湿布の温感・冷感はメントールやカプサイシンによる皮膚刺激で、実際に患部の温度は変わりません。「温かく感じる=治る」ではありません。
市販の強い湿布(フェルビナク・ジクロフェナク配合)は効果がありますが、腎臓への負担があります。長期連用・大量使用は要注意です。
私が買わないのは「効果がない」ではなく「成分の強さに対してリスクを理解せず使う人が多い」から心配しています。購入する際は薬剤師に使い方を確認してほしいです。
❌ 買わない③:「〇〇酵素」ダイエットサプリ
「酵素を飲めばやせる」という製品は根拠が薄いです。
- 酵素はタンパク質 → 飲むと消化されて分解される
- 消化酵素として機能するものはありますが、「脂肪を燃やす酵素」は体内では別の話
- 価格が高く、プラセボ効果以上のエビデンスが乏しい
やせたいなら:食事管理+運動が最も根拠のある方法です。
❌ 買わない④:成分表示が「その他」だらけのスキンケア
全成分表示を見たとき、有効成分より**「その他成分」「香料」「着色料」**が多い製品は避けます。
確認すること:
- 成分は配合量が多い順に書かれている
- 最初の5成分が製品の大半を占める
- 「ヒアルロン酸」「コラーゲン」が後ろの方に書かれていたら配合量は微量
❌ 買わない⑤:「飲む日焼け止め」
以前の記事でも書きましたが、「飲む日焼け止め」は日本では承認されていない効能です。「光老化を防ぐ」成分(フェーンブロック・ポリポジウム)の研究はありますが、SPFの代わりにはなりません。
塗る日焼け止めは必須。飲む系は補助的に考える程度にしてください。
薬剤師が「自腹で買っている」もの
✅ 買う①:ビタミンC(高用量・シンプルな製品)
コスパ最強の美容・健康サプリです。
- コラーゲン合成を促進(シミ予防・肌の弾力)
- 鉄の吸収率を高める
- 抗酸化作用で細胞の老化を抑制
- 免疫機能のサポート
選ぶポイント:
- 1回500mg〜1000mg含有
- 添加物・香料が少ないシンプルなもの
- 「タイムリリース型」は吸収がゆっくりでおすすめ
✅ 買う②:ヘム鉄(鉄分サプリ)
女性の多くが鉄分不足です。
- ヘム鉄(肉・魚由来)は非ヘム鉄(植物・サプリ多)より吸収率が約5倍高い
- 冷え性・疲労・頭痛・肌荒れの改善に直結
- フェリチン(貯蔵鉄)が低い方はまずここから
血液検査でヘモグロビンは正常でも「フェリチン」が低い「隠れ貧血」の女性がとても多いです。疲れやすい・冷える・肌が荒れるという方は一度フェリチンを調べてみてください。
✅ 買う③:ロキソニンS(鎮痛剤)
市販の鎮痛剤の中で最も効果のエビデンスが豊富な成分(ロキソプロフェン)を含む製品です。
- 生理痛・頭痛・歯痛・筋肉痛に対して強い効果
- 胃への負担があるため食後に服用
- 腎機能・胃潰瘍のある方は要注意
「薬は体に悪い」と我慢する方がいますが、痛みを我慢し続けることでストレスホルモンが分泌され、それ自体が体への負担になります。適切に使うことが大切です。
この記事は薬剤師による情報提供を目的としており、医療行為ではありません。薬の使用については薬剤師・医師にご相談ください。