ゆきちさん、また背中にあせもができちゃって…。毎年この季節になると悩むんですよね。市販薬って何を買えばいいですか?
あせも、つらいですよね。実は私も薬局に勤めてから「あせもに何を塗ればいい?」という質問を毎年夏に何十回も受けます。市販薬の棚を見ると種類が多くて迷いますよね。今日は選び方の基準をしっかり教えます。
※本記事は情報提供を目的としており、医師・薬剤師への相談の代わりになるものではありません。
あせもはなぜできる?原因と種類
あせもって、汗をかくとできるイメージですが、もう少し詳しく教えてもらえますか?
あせも(医学用語では「汗疹」)は、汗の出口が詰まって汗が皮膚の中に溜まり、炎症を起こした状態です。汗そのものが原因というより、「汗の出口が詰まること」がポイントです。
あせもの主な3種類
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
透明・白色の小さな水ぶくれのようなもの。かゆみなし。高熱や大量発汗後に出やすい。自然に治ることが多い。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)★最も多い
赤い小さなブツブツで、かゆみ・チクチク感あり。「あせも」といえば大体これ。首・背中・デコルテ・肘の内側などに出やすい。
深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
皮膚の深い層で汗が詰まるタイプ。熱帯地方や熱中症の人に多い。かゆみは少ないが、汗をかけなくなるため体温調節に影響することも。
市販薬で対応するのは主に「紅色汗疹」です。透明な水ぶくれ(水晶様)は自然に治るのを待てばOK。深在性汗疹はまれで、出た場合は皮膚科へ。
悪化させるNG習慣(意外と多い)
かゆいからついついかいてしまって、余計ひどくなるんですよね…
それ、あせもが悪化する最大の原因です!ほかにも知らずにやっているNGが結構あるので確認してみてください。
NG① かく・こする
かくと皮膚バリアが壊れ、細菌が入って「とびひ」や「化膿」に発展することがあります。かゆい時は冷やすか、かゆみ止め成分のある薬を使って。
NG② 汗をそのまま放置する
汗が蒸発する際に皮膚の水分も奪い、乾燥・刺激になります。汗をかいたらこまめにぬれタオルで拭くか、シャワーで洗い流して。
NG③ タオルでゴシゴシ拭く
摩擦があせもを悪化させます。シャワー後もタオルで軽く押さえるように拭くのが正解。
NG④ 通気性の悪い衣類を着続ける
ポリエステル素材や体にぴったりした服は蒸れやすい。汗をかく季節はコットン・麻など通気性の良い素材を選びましょう。
NG⑤ こってりした保湿クリームを塗る
あせもの上に油分の多いクリームを塗ると、毛穴・汗腺をさらに詰まらせます。あせもがある時はさっぱりしたローションタイプの薬や保湿剤を使って。
まず清潔・通気が最優先
薬を塗る前に、まずやることがあるんですね。
そうです。薬を塗る前の環境づくりが何より大事です。薬局でよく「何を塗ればいいですか?」と聞かれますが、正直なところ薬だけで解決しようとしてもあせもはなかなか治りません。
あせもの基本ケア3原則
清潔にする
汗をかいたらこまめにシャワーか、ぬれタオルで拭く。石けんは低刺激のものをやさしく。
涼しく・風通しよく
冷房・扇風機を使って体温を下げる。通気性の良い衣類に替える。
かかない
かゆい時は保冷剤をタオルに包んで冷やすか、薬でかゆみを抑える。
市販薬の選び方:ステロイド?非ステロイド?
ドラッグストアに行くと「ステロイド入り」と「ステロイドなし」があって、どっちを選べばいいか毎回迷います。
これ、本当によく迷われるポイントです。薬剤師としての考えを正直にお伝えしますね。
ステロイド入り(抗炎症)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 効き目 | 炎症・赤み・かゆみを素早く抑える |
| 向いている症状 | 赤み・かゆみが強いあせも(紅色汗疹) |
| 注意点 | 長期連用・広範囲への使用は避ける。顔・陰部には慎重に |
| 市販品の強さ | 弱〜中程度(ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど) |
非ステロイド(かゆみ止め・収れん)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 主な成分 | ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン)・酸化亜鉛・カンフル・メントールなど |
| 向いている症状 | 軽いかゆみ・予防的に使いたい・子どもや妊婦 |
| 注意点 | 炎症が強い場合はステロイドより効果が弱い |
私の考えは「炎症・かゆみがしっかりある大人のあせもには、短期間のステロイド入りが効果的」です。ステロイドを怖がりすぎて、かゆみを我慢してかき続ける方が肌へのダメージになることがあります。ただし使い方のルールを守ることが大前提です。
大人・子ども・赤ちゃんで選び方は違う?
子どものあせもにも同じ薬を使っていいですか?うちに小さい子がいて…
年齢によって選び方が変わります。特に赤ちゃんは皮膚が薄く、薬の吸収率が高いので注意が必要です。
| 対象 | 推奨される選択肢 | 注意点 |
|---|---|---|
| 大人 | ステロイド入りでもOK(短期間) | 1〜2週間以内の使用を目安に |
| 子ども(2歳〜) | 弱いステロイドまたは非ステロイド | 使用可能年齢を必ず確認。顔・首は慎重に |
| 赤ちゃん(2歳未満) | 基本は非ステロイド・あせもパウダー | ステロイドは小児科・皮膚科に相談を。悪化したらすぐ受診 |
| 妊婦・授乳中 | 非ステロイドを優先。使う前に薬剤師に相談 | 広範囲のステロイド使用は避けた方が無難 |
背中・首・股など部位別のポイント
背中のあせもって自分で塗りにくくて困るんですよね。
部位によって注意点が違います。特に皮膚が薄い部位や、粘膜に近い部位はステロイドの吸収率が高いので注意が必要です。
| 部位 | ポイント |
|---|---|
| 背中 | スプレータイプやローションが塗りやすい。蒸れやすいので下着・シーツの素材も見直して |
| 首・デコルテ | 皮膚が薄くステロイドの吸収率が高め。なるべく弱いものを短期間で |
| 肘の内側・膝の裏 | 汗がたまりやすい。こまめに拭くことが大切 |
| 股・陰部 | ステロイドは原則使用不可の部位。非ステロイドを選ぶか皮膚科へ |
| 顔 | ステロイドは避けるのが基本。悪化したら皮膚科を |
薬剤師おすすめの市販薬
結局何を買えばいいですか?ドラッグストアでいつも迷って、とりあえず安いのを買っちゃうんですよね。
症状の強さ・年齢・部位で変わりますが、よく選ばれている信頼性の高いものを紹介しますね。
1位:メンソレータム メディクイックH(ステロイド入り・大人向け)
ヒドロコルチゾン酢酸エステル配合のクリームタイプ。かゆみ・炎症をしっかり抑えたい大人のあせもに。スーッとしたメントール感が不快なかゆみを和らげてくれます。
2位:池田模範堂 ムヒソフトGX(ステロイド入り・顔にも使いやすい)
弱めのステロイドと抗ヒスタミン成分が入ったクリーム。のびがよく、首や腕など広範囲に使いやすい。比較的マイルドな処方なので肌が弱い方にも人気。
3位:シッカロール(あせもパウダー・赤ちゃん・予防に)
昔からある定番のあせも予防パウダー。酸化亜鉛が汗を吸収して皮膚をサラサラに保ちます。赤ちゃんや、薬を塗るほどではないが汗疹を予防したい方におすすめ。
こんな時は皮膚科へ
市販薬で対応できるあせもがほとんどですが、こんな状態になったら皮膚科を受診してください。
皮膚科を受診すべきサイン
- 市販薬を1週間使っても改善しない
- 膿が出ている・黄色いかさぶたがある(化膿・とびひの可能性)
- 広範囲に広がっている・発熱を伴う
- 赤ちゃんのあせもがひどくなっている
- 「あせもかな?」と思っているが、じんましんやアトピーの可能性もある
よくある質問
Q. あせもはお風呂に入っていいですか?
むしろ積極的に入ってください。汗・汚れを洗い流すことがあせも改善の基本です。ただし熱いお湯はかゆみを悪化させるので、38〜40℃のぬるめのお湯で。石けんはやさしく泡で洗い、ゴシゴシこすらないこと。
Q. あせもと湿疹の違いは何ですか?
あせもは「汗の出口の詰まり」が原因で、暑い季節・汗をかく部位に出やすいのが特徴です。湿疹はアレルゲンや刺激物への反応など原因が多様で、季節を問わず出ることがあります。見た目だけでは区別が難しいこともあるので、迷ったら皮膚科へ。
Q. あせもに日焼け止めを塗っても大丈夫ですか?
あせもが出ている肌に油分の多い日焼け止めを塗ると悪化することがあります。どうしても日焼け対策が必要な場合は、肌への負担が少ないUVカット素材の衣類や帽子での物理的遮断を優先してください。
Q. ステロイドを塗ると薄くなりますか?
市販のあせも薬に含まれるステロイドは弱いクラスで、適切な期間・量を守って使う分には皮膚萎縮のリスクはほとんどありません。「1〜2週間以内」「必要な範囲だけ」を守れば過度に心配しなくて大丈夫です。
薬の選び方と、その前にやることがよくわかりました!去年は何も考えずかき続けてひどくなったので、今年は早めにケアします。
その意識が大事です!あせもは「早めに清潔にして、かかないで、必要なら薬を使う」この3つで大体解決します。薬局でも気軽に声をかけてくださいね。