※本記事は情報提供を目的としており、医師・薬剤師への相談の代わりになるものではありません。
成分を知りすぎると、かえって迷う話
薬剤師になって、化粧品成分検定も1級まで取って気づいたことがあります。
成分を知れば知るほど、コスメ選びが難しくなる。
「このレチノール、濃度はどれくらいだろう」「この防腐剤、私の肌は大丈夫かな」「ナイアシンアミドとビタミンCを同時に使っていいんだっけ」——正直、知識がつく前より悩む時間が増えました。
薬局の窓口でも「薬剤師さんはどんなスキンケア使ってるんですか?」とよく聞かれます。「成分を知っているプロが実際に選んだもの」への関心がとても高いことを感じます。
だから今日は、格好つけずに全部見せます。私が今現在、実際に毎日使っているスキンケアを、なぜ選んだかの理由ごと正直にお話しします。
私の肌質と悩み
まず私の肌の話をしないとルーティンの意味がないので、正直に書きます。
肌タイプ:混合肌(Tゾーン脂っぽい、頬は普通〜やや乾燥)
仕事柄、調剤薬局でずっとマスクをつけている時間が長いです。マスク内の蒸れと乾燥が繰り返されるため、以前は頬の乾燥と口周りのニキビに悩んでいました。在宅の往診同行の日は移動も多く、日焼けも気になります。
主な悩み(現在進行中のもの)
- 毛穴の開き(特に鼻周り)
- 日焼けによるくすみ・色むら
- マスク後のニキビ跡が残りやすい
こういった悩みを持つ私が「成分的に理にかなっていて、かつ実際に肌に合った」と感じているアイテムを選んでいます。
朝のスキンケアルーティン(全アイテム公開)
洗顔:ぬるま湯のみ
朝は洗顔料を使わず、32〜35℃くらいのぬるま湯だけで洗っています。
理由は単純で、夜にしっかり保湿したのに、朝また界面活性剤で落とすのがもったいないからです。皮脂は一晩でそこまで分泌されないし、朝の洗顔料使用が乾燥の原因になっている人が多いと、成分を勉強してから気づきました。
最初は「え、洗顔料使わなくて大丈夫?」と不安でしたが、使い始めて数ヶ月。肌の乾燥が明らかに減りました。
化粧水:セラミド系をたっぷり
朝の化粧水はセラミド配合のさっぱりめのものを選んでいます。理由はバリア機能を補いながら、日中のメイク崩れを防ぎたいから。
コットンではなく手のひらで塗っています。コットンは繊維の摩擦が意外と肌負担になるので。
美容液:ナイアシンアミド
毛穴・くすみ・ニキビ跡——私の悩みに対してオールラウンドに効くのがナイアシンアミドです。
化粧品成分検定の勉強でナイアシンアミドの論文を複数読んだとき、「これは本物だ」と確信しました。メラニン転送の阻害・皮脂抑制・バリア機能サポートと、一本でやれることが多い。朝に使うことで、日中の皮脂コントロールにも繋がっています。
日焼け止め:SPF50+・PA++++を必ず
ここは妥協しません。どんなに忙しい朝でも日焼け止めだけは塗ります。
薬剤師として断言できるのですが、日焼け止めはスキンケアの中で最もコスパが高いアンチエイジング手段です。ビタミンC美容液を毎日塗るより、日焼け止めを1本きちんと塗る方が、長期的な肌への投資として圧倒的に優れています。
SPF50+・PA++++を選んでいますが、テクスチャーが重いと塗るのが億劫になるので、なじみがよくてさらっとしたものを選んでいます。
夜のスキンケアルーティン(全アイテム公開)
クレンジング→洗顔
日焼け止め(ウォータープルーフではないタイプ)を使っているので、クレンジングはミルクタイプを使っています。オイルほどの洗浄力は必要ないし、混合肌にはミルクの方が乾燥しにくいと感じています。
洗顔料はアミノ酸系の低刺激のものを。薬局で成分を見比べていた時期が懐かしい……今は「ラウロイルメチルアラニンNa」や「コカミドプロピルベタイン」など、マイルドな界面活性剤が使われているものを基準に選んでいます。
化粧水:朝と同じ、でも多めに
夜は日中に失った水分を補う意識で、朝より多めにつけます。手のひらで包み込むように浸透させます。
美容液:ビタミンC誘導体(夜のみ)
朝のナイアシンアミドに加え、夜はビタミンC誘導体を追加しています。
ビタミンCは光や熱で分解されやすい成分なので、夜専用にしています。私が選んでいるのは「リン酸型ビタミンC(アスコルビルリン酸Na)」が配合されているタイプ。純粋なビタミンCより刺激が少なく、安定性が高いので敏感に傾きやすい私の肌に合っていました。
クリーム:セラミド配合のしっかりめのもの
夜は乳液よりクリームで蓋をします。セラミド・コレステロール・脂肪酸がバランスよく配合されているものが理想で、CeraVeやキュレルはその点で優秀だと感じています。
お風呂上がりは角質層が柔らかくなっていて保湿成分が入りやすいので、なるべく早めに塗るようにしています。「3分以内に塗る」は大げさにしても、「お風呂から出てダラダラしてから塗る」のは避けています。
リップ:ワセリン
最後に唇にワセリンを少量塗って終わり。これが一番コスパのいいリップケアだと個人的には思っています。
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週1〜2回だけ使うアイテム
毎日は使わないけれど、肌の調子を上げてくれるアイテムを週数回使っています。
ピーリング(AHA)
クリニックで処方された低濃度のグリコール酸製品を、週1〜2回夜だけ使っています。毛穴の詰まりと、ニキビ跡の色素沈着に効いている実感があります。
ただし、ピーリング後は紫外線に敏感になるので、翌朝の日焼け止めは特に念入りに。
クレイマスク
Tゾーンの皮脂が多い時期(夏)に週1回くらい使います。毛穴の開きが一時的に目立たなくなる感覚はありますが、継続的な効果は正直そこまで実感していません。気分転換の意味合いが大きいかも。
逆に使わないと決めたもの
「使わない」と決めているものも正直に書きます。
高濃度レチノール(セルフケアでは)
効果があることは成分として理解しています。ただ、私は肌が比較的敏感に傾きやすく、過去に市販のレチノール美容液で赤みと皮むけが出た経験があります。使うなら皮膚科管理のもとで、と決めています。
複数の”攻め”成分の重ね使い
レチノール+AHA+高濃度ビタミンCを一晩に全部使う、みたいなことは私はしません。成分同士の刺激の掛け算になるからです。「効きそうなものを全部乗せ」は、肌には逆効果になることが多い。
香料・アルコールが多いもの
香りが良いスキンケアは好きですが、肌への影響を考えると今は避けています。特に化粧水・美容液・クリームの核となるアイテムには、無香料・低アルコールを選ぶようにしています。
まとめ:成分より「続けられるか」が大事
書いてみて改めて気づいたのですが、私のスキンケアは**「難しいことを省いて、続けやすくしている」**ものばかりです。
朝はぬるま湯洗顔+化粧水+ナイアシンアミド+日焼け止めの4ステップ。夜はクレンジング+洗顔+化粧水+ビタミンC美容液+クリームの5ステップ。週数回ピーリングを足すだけ。
薬剤師・化粧品成分検定1級を持っていながら、やっていることはわりとシンプルです。
「高い成分がたくさん入ったコスメを全部使えば完璧な肌になる」というより、自分の肌質と悩みに合った成分を、毎日続けることの方がずっと大事だと実感しています。
もし「何から始めればいいかわからない」と悩んでいる方がいたら、まず日焼け止めだけは毎日塗ることから始めてみてください。それだけで5年後・10年後の肌が変わります。これは薬剤師として自信を持って言えます。
この記事を書いた人
ゆきち|現役薬剤師(調剤薬局・施設在宅医療担当)/東京薬科大学薬学部卒/日本化粧品検定1級・化粧品成分検定1級・危険物甲種取得。窓口でも在宅現場でも「正しい知識をわかりやすく」届けることを大切にしています。